| −動く美術館が行く− |
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日本三大祭のひとつに数えられる祇園祭は、7月17日の山鉾巡行でクライマックスを迎える。 祇園祭は千年の歴史を持つ京の町衆の祭として知られている。山鉾巡行の日には「動く美術館」とも言われる山と鉾が、京都の中心地をたっぷりと時間をかけて一周する。 今年の巡行は月曜日に行われたこともあって、前日の宵山に比べればずいぶん少ない人出だったようだけど、それでも16万人がこの行列を見にやってきた。 僕は長い間京都に住んでいるけど、山鉾巡行を見たのは今回がはじめてだった。
これはなにも祇園祭に限ったことではない。日本には、祭といえば男性が主体で行うものという習しが古くからある。「ギャル神輿」なんていうのがわざわざTVで取り上げられたりするのも、女性が神輿を担いではならないという決まりごとを破っているからなのだ。ハレの舞台には男が立つものだという伝統は今でも受け継がれている。 それでもなお、僕が「祇園祭は男の祭だ」と感じたのは、5月に見た葵祭の印象が強かったからだろう。
葵祭と祇園祭では、祭が行われる場所も違う。葵祭は御所を出発して北にある下鴨・上賀茂神社に向かう。古くから身分の高い人々が住んでいたところだ。そういう場所に着物姿の女性の静かな行列はよく似合った。京都という町が持っている女性的な面と、葵祭の女性の姿がぴったりときた。 祇園祭は御所よりも南にあって、昔から商業の中心地として栄えた場所で行われる。庶民による庶民のための祭、それが祇園祭だ。だから男が主役であり、豪壮で派手な祭になったのだ。 それぞれの山や鉾に懸けられているのは、インドや中国などで作られた絨毯や毛織物など。そこからは異国の珍しいものを競い合った町衆の心意気が伝わってくる。 |
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