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−豪快な辻回し−

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◇ どの鉾も豪華に飾られている ◇
 山鉾巡行のクライマックスが「辻回し」だ。
 巡行の主役である鉾には、人の背丈よりも大きな木製の車輪が4つ付いていて、30人から40人ほどの男が曳いて歩くのだが、困ったことに直進しか出来ない。もちろんずっと直進するわけにはいかないから(そんなことをしたら鉾がみんな八坂神社に突っ込んでしまう)交差点に差し掛かったら方向転換をする。もともと操舵性能のない鉾に、無理矢理90°ターンをさせるのがこの「辻回し」なのだ。
 木でできているとはいえ、鉾は10トンを超える重量がある。それを人の手で回転させるのだから、ここはまさに男の見せ所なのだ。

 鉾の下には辻回し用の青竹が準備されていて、交差点に来るとそれを前の車輪の下に敷く。竹の上には準備された水をたっぷりと撒き、滑りやすくしておく。
 「ソーレ」「エンヤラヤー」の掛け声がかかると、曳き手達は一斉に進行方向の左手に鉾を引っ張る。鉾との綱引きだ。ゴロゴロという大きな音と竹の軋む音と共に、鉾がゆっくりと回転をはじめる。
 無理をして方向転換をするわけだから、当然鉾は大きく揺れることになる。鉾の上には沢山の人が乗っているから重心も高い位置にある。「もしかすると倒れるんじゃないか」と見てる方は心配してしまうけど、案外倒れない。(まぁほんとうに倒れたら大変だ)

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◇ 豪快な辻回しの様子 ◇
 実は倒れない仕組みがちゃんと鉾には備わっているのだという。
 「辻回し」を始めた鉾は左右に揺れるが、鉾の屋根から上に突き出た部分(写真では切れてしまっている)は、下よりも揺れが大きくなっている。
 つまり上の部分が大きくしなることで、鉾全体の揺れを減衰しているのだ。これは現代の高層ビルにも繋がる構造で、五重塔なども同じ構造なのだそうだ。
 鉾をただの方向転換が出来ない車などと侮ってはいけない。緻密な設計と原始的な力技が合わさることによって、祇園祭が魅力的な祭にとして今日まで受け継がれているのは間違いない。


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