麗江の子供たち (中国 2001)
夕方の麗江は印象的だった。赤ん坊をおぶった老人がゆっくりとした足取りで散歩していたり、ひと仕事終えた男達が柳の木陰に置かれた石のテーブルを囲んで世間話に興じていたり、学校帰りの子供達が路地裏を走り回っていたりする。町の素顔が覗く時間。町全体が親密な空気に包まれる一瞬。それが日暮れ前だった。
中国の町は、目まぐるしく変わり続けていた。大都市であっても地方であっても、古いものは容赦なく取り壊され、未来都市の出来損ないのような高層建築が次々と建てられている。
麗江は、中国の伝統的な町並みと生活スタイルが今でも残る、居心地のいい町だった。しかし、遅かれ早かれここも近代化の波に飲み込まれていくことだろう。
10年後、この町はどんな姿になっているのだろう。