インド最南部のタミルナドゥ州では風力発電所が盛んに作られていた。風が強いことで有名なのだ。
英語では風力発電サイトのことを「ウィンド・ファーム(風農場)」と言うらしく、風車のそばの立て看板にもそう記されているのだが、実際にこの場に立ってみると、それが実にぴったりのネーミングだとわかる。けたたましい騒音を出すことも、煙を立ちのぼらせることもなく、静かに回り続ける風車群は、「風工場」よりは「風農場」と呼ぶのが相応しい。大地を吹き抜ける風に身を任せ、黙々と自分の仕事を行っている。そんな風車の姿は、すぐそばで畑を耕している実直な農夫とも重なるのだった。