インド(5)

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ささやかな誇り
 インド北西部ラジャスタン州の麦畑で働く女性に出会った。白い腕輪をいくつも着けた腕には、入れ墨が彫られている。これが牧民ラバリ族の普段着なのだ。  腕輪は農作業には邪魔になるものだが、それでも外したりしないのは、効率や合理性を超えたもの――端的に言えば「美意識」――を大切にしているからだろう。  伝統的な美しさには常に一定の非合理性が含まれている。逆に言えば、他人から見れば理屈に合わないような奇習の中にこそ、美の源泉がある。彼女のスタイルは、自分たちの伝統文化に対するささやかな誇りの表れなのだ。

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