ドゥマデビ・アディガリさんは94歳である。ネパールの山村で90以上まで生きる人は極めて珍しい。近隣の8つの村を合わせても、彼女ほど長生きしている人はいないという。
ネパールは女性の平均寿命が男性よりも低いという世界でも珍しい国である。それだけ女性が過酷な環境に置かれているということなのだが、この村に限って言えば、老人よりも老婆の方が多かった。
「煙草は吸わない、お酒は飲まない。好きなものを食べる。毎日働く」
それがドゥマデビさんの健康の秘訣だそうだ。腰は90度近く曲がっていて、歩くスピードはとても遅いけれど、杖を必要とせずに階段を上り下りするし、水牛の世話も一人でやっている。
「100歳まで生きるんじゃないですか?」と僕が言うと、孫娘(と言っても、彼女にも孫がいるのだけど)は「みんなそう思っていますよ」と言った。