 |
 |
即席の物乞いが溢れている「マネーロード」から少し離れた海岸に、テントではなくて廃材を利用した仮住まいに住んでいる人がいた。外観や雨漏りを気にせず、労力さえ惜しまなければ、一家族が暮らす家を造るのは、そんなに難しいことではない。コラーセンさんはそんな風に言った。 「元の家はご覧の通り全部壊れてしまった。そこにトイレの穴があるだろう? 残ったのはあれだけだよ。そう、あとは家の周りにある5本の椰子の木だね」 コラーセンさんはそう説明すると、ほとんど唯一の所有物である椰子の実を、ナタで割って僕に振る舞ってくれた。日中の日差しがとても強く、すぐに喉の渇きを感じるスリランカ南部では、ほんのりとした甘味のあるココナッツジュースが水分補給には最適なのだ。中の水分を全部飲み切ってしまうと、コラーセンさんは「中の果実をすくって食べればいいよ」とスプーンを渡してくれた。椰子の果実は上質のゼリーのように口に入れると柔らかくとろけた。
|
 |
|
 |