僕らはまず飛行場の正面にある大砂丘を目指した。朝日を受けてオレンジ色に輝く砂丘は、圧倒的なスケールと神秘性を帯びていた。風紋が砂丘の表面にリズミカルな模様を刻み、全体を俯瞰してみるとダイナミックなうねりが連続している。まるで北斎が描いた荒波の絵のようだ。このような雄大な景色が風の力だけで作られたというのは、驚き以外のなにものでもない。僕はしばらく写真を撮るという自分の仕事も忘れて、呆然と砂丘を見つめていた。

Sahara desert, Morocco ( 2005/03)