ユーラシア一周 (2001年)

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当たり前の日常 当たり前の笑顔

内戦の傷が残る国。地雷が埋まっている危険な国。カンボジアはまだそんな風に語られることも多い。でも、実際のカンボジアは、穏やかでのんびりした土地だった。  女達は木陰で機を織り、男達は昼間から酒を酌み交わす。裸の子供がメコン川で水遊びをし、裸足の僧侶が砂の上を音もなく歩いていく。人々はゆっくりとした時の流れに身を任せるように、当たり前の日常を過ごしていた。  シェムリアップの郊外にある小さな村に、表情豊かな少女がいた。裸で痩せっぽちで、決して豊かとは言えない農家の娘だったけれど、その瞳はとても澄んでいた。  彼女はマジシャンがシルクハットから沢山の国旗を引っ張り出すみたいに、次から次へといろんな笑顔を見せてくれた。  この子の笑顔が、この国の明日を表しているのかもしれない。そんな風に思った。

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