ユーラシア一周 (2001年)

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ハメルンの笛吹き状態

外国人が珍しい存在であるバングラデシュでは、旅行者は映画スターか動物園のパンダのような扱いを受ける。どこへ行っても、何を食べても、常に注目の的になるのだ。  首都ダッカのスラム街をカメラを持って歩いたときも、好奇心と暇を持て余している子供達の標的になってしまった。彼らは単語を並べただけの無茶苦茶な英語で、「どこから来たの?」「何しに来たの?」などと叫びながら、僕の後ろをついてきた。  ひとつ角を曲がるたびに、一本線路をまたぐたびに、子供の数はどんどん増えていった。50人、いや100人。まさに「ハメルンの笛吹き」状態だ。  そのうち、子供の群れの中に大人の姿も混じるようになるのだが、子供達をたしなめるどころか、一緒になってはしゃぐんだから呆れてしまう。 「写真を撮ってくれよ!」  彼らは口々に叫ぶ。 「オーケー。それじゃ撮るからね」  そう言ってファインダーを覗くと、全員が我先にと突進してくるのだった。

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